年コロナ感染防止で義務教育である中学校も休校が相次ぎ、新中3生や保護者から今年度の受験に対する不安の声が上がっています。
新型コロナウイルスの感染拡大で学校再開をめぐる判断は、自治体によって異なり、全国規模で見ると足並みはそろっていないのが現状です。
そのような中で、萩生田大臣が新型コロナ対策の教育指針の変更を発表しています。
その内容をひも解きながら、現段階でわかる2021年の高校受験の傾向について記していきます。
キーワードは「GIGAスクール構想」と「ICT教育」

中学校・小学校の新型コロナ対策で重要なキーワードは2つ。
- GIGAスクール構想
- ICT教育の活用
この2つの言葉は密接に関わり合っているのですが、まずは意味の紹介です。

GIGAスクール構想の牽引は自治体ごととなっていますので、ここで波に乗り遅れた自治体は時代の置いてきぼりとなって、そこに住む児童生徒の未来に大きな影響を及ぼすことも想像されるのです。
なおかつ、その計画の途中で「新型コロナによる休校措置」が急遽入ったので、端末の準備が進んでいる自治体と、まだ準備が出来ていない自治体の差が浮き彫りとなる結果になってしまいました。
4月21日発出『学びの保証』について

4/21発出した「学びの保障」とは、学校が臨時休業中であっても最低限取り組むべき事項等についてまとめたものです。
目次を抜き出したので、内容が大体お分かりいただけると思います。
1.臨時休業中の学びの保障等について
2.臨時休業を行う場合に義務教育の重要性の観点から取り組むべき事項
(1)特定警戒都道府県も含め、すべての地域において最低限取り組むべき事
項について
①学習指導に関すること
ア.学校が課す家庭学習の充実
イ.児童生徒の学習状況の随時把握
ウ.ICTの最大限の活用
②児童生徒の心身の状況の把握と心のケア等に関すること
③取組にあたっての留意事項
(2)地域の状況に応じて取り組むべき事項について
3.臨時休業を行う場合の教職員の勤務について
(1)在宅勤務や時差出勤等について
(2)在宅勤務におけるICTを活用したテレワークの実施について
4.学習取組状況のフォローアップについて
休校の影響

臨時休業が続いた場合であっても、生徒が授業を十分に受けられないことによって学習に著しい遅れが生じないよう、各教育委員会や学校で、必要な対策を取ることになっています。
基本的には、学校が指導計画を踏まえた「家庭学習」を生徒に渡し、先生による訪問・電話などで学習指導や学習支援をしていくことになっています。
そして学校の再開後には補充のための授業や補習の実施をして、特に理解の浅い生徒には、別途、個別の補習や追加の家庭学習を課すなどが計画されています。
それと並行して、ちょうどGIGAスクール構想とICT教育の活用が計画されている段階だったこともあり、義務教育の中にもオンライン学習を取り入れることが決まりました。
オンライン授業の考え方

生徒のインターネット環境
新型コロナによる休校措置が取られるようになってから、各高校や大学でもインターネットを利用したオンライン授業が盛んになっています。
義務教育の範囲内でも、授業が受けられないことによって学習に著しい遅れが生じることがないように、パソコンやタブレット、スマートフォンを使ったインターネット学習(=オンライン学習)を取り淹れる方向であることは、4月21日の文部科学省会見でも発表されました。
オンライン学習には、パソコンやタブレット、スマートフォンなどの端末とインターネット回線が必要になりますが、これらは家庭格差によるところが大きいと言えます。
そこで文科省として提案しているのは、出来れば平等に全生徒に端末を渡すのが本来ではあるが、とりあえず早急な措置として、現在、家庭内に端末環境がある生徒はそれを利用する。
そして、インターネット環境が無い生徒に関しては、Wi-Fiルーター・学校にあるパソコンなどの貸し出しをして、全員にオンライン授業を行き渡らせたいとしています。
オンライン授業と言ってもすべて生放送(ライブ中継)ではなく、あらかじめ録画した動画で授業をしたり、NHK教育番組などの様々なコンテンツを利用して、学校の休業期間中に、できるだけ学習の遅れがないような展開をしていくことになっています。
加えて、大手キャリア3社(ドコモ、ソフトバンク、au)にお願いをしまして、スマートフォンのギガ数を5月31日まで、25才以下のユーザーすべてに50ギガを開放する処置をしています。
実際のオンライン授業の状況

ICT教育・遠隔教育を含めた家庭学習は、現段階では標準授業時数の中にカウントされません。
義務教育の中で、今年度の特例措置としての授業時数自体は、弾力化して取り扱う(時間数を減らして考える)ということの通知を出しています。
オンライン授業展開に関して、対面指導なしでは単位として認めない文部科学省の規制が、自治体下におけるオンライン授業の消極姿勢につながっているかもしれません。
文科省では端末配備を急ぐ方針は打ち出しましたが、教室での一斉授業を優先する姿勢は変えていません。
公立小中学校でも遠隔授業の普及が一段と進んでおらず、4月21日現在、休校中の公立校でオンライン授業を実施する自治体は全国の5%しかなかったと発表しました(文科省発表)。
義務教育に関する限り、様々な規制がICT教育の歯止めになっているのかもしれません。
まとめ
入学者選抜については受験生が不利益とならないよう、実施者となる都道府県教育委員会等に対し、文部科学省から示しがあることになっています。
具体的には、休校の間は休業扱いにしないということ、学校を再開後の学習地域差が受験の公平さに影響しないシステム作りなどです。
文部科学省としては、関係者たちとあらかじめ準備をしながら、それに見合う受験体制を作っていくので、ぜひ安心して欲しいということです。
状況に合わせ、教育の現場だけでも対応の変化が日々目まぐるしく変わっています。
最新情報をみのがさず、正しい対応ができるようにしたいものですね。
今後も随時情報を更新してまいります!