新型コロナ感染防止で休校が相次ぎ、新高3生や保護者から今年度の受験に対する不安の声が寄せられています。
新型コロナウイルスの感染拡大で学校再開をめぐる判断は、自治体によって異なりますが、大学受験は対象が全国区です。
そのような中で、萩生田大臣が会見で今年度教育の指針を発表しました。
その内容をひも解きながら、現段階でわかる2021年の大学受験の傾向について記していきます。
文部科学省が示唆する2021年受験

萩生田文部科学大臣は、令和2年4月の定例記者会見で「受験生が不利益を被ることがないような大学受験に対応したい」と述べています。
とはいえ、すでに2か月授業自体が停滞しています。
まだ夏休みがあるので授業時間数は調整が効くかもしれませんが、スポーツの各種大会、文化活動の発表などは自粛期間を含め例年のスケジュール通りには進まないことが決定しています。
そうすると特に9月からのAO入試、11月からの推薦入試に大きな影響がでることが予想されます。
また、2021年から始まる新・共通テストの具体案の発表もわからない状態であります。
このようなすべての状況を含めて、予想も交えながら日程・範囲・倍率傾向を以下記していきます。
大臣の会見は別記事にまとめてありますので、ぜひ読んでみて下さい。
間接的な記事ではなく、文部科学省の直接発表記事です。
https://donguri5.com/interview/2021corona-university-entrance-exam
日程について

AO試験・推薦入試
例年6月に大学入学者選抜実施要項を各大学に通知していますが、3月末から続く休校措置などを踏まえ、受験生が不利益を被ることのないように各機関で調整している最中です。
6月に詳細が発表できるかまだ未定ですが、文科省では、出願時期の在り方も含め各大学に配慮して欲しい点などを検討・整理しているところです。
具体的には、AO・推薦入試については募集の時期を遅らせる必要があるという話が出ています。
例えば、もし仮にスポーツの全国大会などができないとすると、スポーツ推薦の学部で全国大会出場などが要件にされてる場合は出願できない可能性があります。
仮に前年度(2年生)の成績での判断となれば、2年生でレギュラーの生徒はごく少数だと思われるので、非常に判断が曖昧になります。
もし終息後に、予定されている大会を時期をずらして開催したとしても、AO・推薦入試の出願期間に成績の反映が間に合わない危険があります。
また、文化活動等に参加できなかったことや、あるいは出席日数や特別活動等の記録が少ないことをもって、高校における部活動等の諸活動の実績の評価や調査書に不利益が生じることにも、同様のことが言えます。
そのようなことが起こらないためにも、高校における評価や調査書において特定の生徒が不利益とならないように、文部科学省としては各大学に今年のイレギュラーな対応要請をしています。
イレギュラーな対応の例としては、例年通りの試験内容や調査書で判断することはなく、面接などを加えるなどしてより丁寧な対応をすることなどを挙げています。
また欧米と同様に、9月新学期にして休校機関への対応にしてはどうかという声も上がっているようですが、文科省は明言を避け、必要な場合には対応するとしています。
一般入試
多くの高校生が一番関心があるのは一般入試の件ですが、文科省としては今のところ方針決定日のデッドラインを定めることなく、全体の状況を見ながら適切に判断する構えです。
受験生は焦ることなく、今出来ることを着実に行いながら今後の発表を待ちましょう。不利益な内容になる心配はありません。