学校司書のしごと

学校の定番「朝の読書」。図書館が支援できることはなにか

朝の読書はすっかり定番化

いまや「朝の読書」はどこの学校でも、朝の定番行事としてすっかり定番化されました。
勤務先の生徒たちに聞いても、朝の読書を知らない子はほとんどいません。

小中学校の全期間ではなくとも、小学校でやっていたが中学校は実施していなかった、あるいは小学校ではやらなかったが中学校で行ったという場合を含めて、ほぼ全生徒が経験していると言えます。

「朝の読書推進委員会」調査の2019年3月4日最新版の報告によると、全国の国公私立・小中高等学校の実施率は76%です。
その内訳は小学校が81%中学校が82%高校が45%。実に義務教育では8割以上の生徒児童が毎朝読書に励んでいる実情です。

これだけ多くの子供たちが毎朝読書しているのかと思うと感動を覚えます。素晴らしい!

始まりは31年前の「船橋学園女子高校」から

きっかけは学校生活の改善だった

朝の読書のきっかけは、どうにも騒がしい朝のホームルームだったといいます。担任がいくら声を張り上げても効き目の無かった、私語のやまない高校生たち。

段々疲弊していく教師と、そのまま授業に入ることによって生じる弊害をなんとか食い止めようとした中で出てきたアイディアの一つ「文章の読み聞かせ」が発端となりました。

ある時、担任がぜひ紹介したいと思った雑誌記事を内容までしっかりと伝えるため全員に一文ずつ朗読させるという方法をとったところ、生徒たちが物語に引き込まれて静寂が訪れ、さらにクラスに落ち着いた空気が生まれたまま授業を進めることが出来ました。
そのことがきっかけで、米国で実践していた読書活動を取り入れようと考えたといいます。

アイディアとしては素晴らしいものの、その提案に職員会議では不安の声も上がりました。読書は強制してさせるものではないという意見や、時間の使い方の自主性を損なうのではないかという声、そもそも騒がしい生徒たちがおとなしく読書をすることが出来るのかという疑問すらありました。

そんな時に単独で先駆的実践に踏み切った教師がいました。
それが現・朝の読書推進協議会理事長の大塚笑子先生です。

なんと初日から静寂だった「読書の時間」と、その効果。

職員会議で取り沙汰された不安の声は全く杞憂でした。朝の読書は、なんと初日から静寂の中で行われたのです。

朝の光の中、静かにわき目もふらずに読書する少女たちの姿がそこにはありました。
その光景に提案者は思わず涙したといいます。
大人があれこれ考えるよりも雄弁に、朝読書の持つ効果がそこには表れていました。

朝読書を始めるようになり学校全体に変化が現れるようになりました。

まず、朝からクラスに静寂が訪れるのでホームルームが円滑に進み、授業への導入がスムーズになりました。
そして、読書の習慣がついいたために生活全体に落ち着きがでてきました。遅刻者もほとんどいなくなったのです。急激な学力の上昇とはなりませんが、休み時間や手持ち無沙汰な時など本を読むという今までにない行動を取る生徒も現れたのです。

読書の環境を与えることにより、生徒の自己肯定観や自信につながるという好ましい結果を残すこととなりました。




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