話題の本

何を読んだらいいかわからない人に『まなの本棚』

本を読みたいのに(読まなくちゃならないのに!)何を読んだらいいのかわからない。

そもそも高校生らしい本ってなに?
高校生はみんな何を読んでいるの?

そんな時にとっても役立つ本があります。
しかも、とっても読みやすくって、わかりやすい。
どんどん読書したくなる、そんな処方箋のような本を紹介します!

秋冬は読書迷子がさまよう季節

AO受験や就職試験、また小論文の題材や面接の話題作りのため…この時期は、今まで図書館に足を踏み入れたことのない生徒たちがやってくる季節です。

初めてのドアを開けて未知の空間に飛び込み、どこにどんな本があるか配置も知らず、それよりも自分が何を読めばよいかもわからずにウロウロしている生徒のなんと多いことか!

入り口の新着図書をしばし眺めた後に、受験対策本に圧倒され、隣の経済コーナーで無知の自分にげんなりし、新書棚の題名を見て読めそうにないと涙目になりながら途方に暮れている…どうですか?思い当たりますか?

こういう時こそ、私(司書)にぜひ声をかけて欲しいのですが、中にはシャイな人も、時間と気持ちに余裕がない人もいるかもしれません。

そんな時にきっと役に立つのが、現役の生徒が書いた『まなの本棚』です。

隣人の本をのぞいてみよう『まなの本棚』芦田愛菜・著

 

今、自分の周りでどんな本が読まれているかを知る方法はいくつかあります。

・”学校図書館だより”の貸し出しランキングを見る
・返却本コーナーを見る(返されたばかりの本が置いてある)
・司書に人気の本を聞く …etc

みんなの貸し出しカードをこっそり見る…なんていうのはダメですよ!
図書館法で、個人情報を保護するために貸出履歴を保護するきまりがありますからね。
図書館に行って、他の人が読んでいる本の表紙をチラ見する…
ちょっと挙動不審ですね。ま、それが出来たら悩むことはないのでしょうけど。

そこでご紹介したいのが『まなの本棚』です。
著者は、メディアでお馴染みの俳優・芦田愛菜さん。
インタビューでの的を射た言葉選びや、場に合った表現の発端は彼女の読書歴にありました。

この春に高校生の愛菜さんが、実際に読んで心から面白かった!という本だけを紹介しています。
いわば、図書館にいつも来ているあの子の読書本をのぞいている感じです。

ーーあのね、この本はこういう内容なんだけどココが最高に面白くって!
あ、作者はこういう人で、私がハマった理由っていうのは…

こんな調子で、まるで愛菜さんが話しかけてくるようにスイスイ読める本なのです。

大人が勧める読書案内の本は多々ありますが、もちろんそれは素晴らしい本揃いです。
でも『まなの本棚』には、中高生のココロが求める視点があります。
今を生きる若者にしか選べない、時代の空気のなかでの読書本選択は大人にはマネすることが出来ないし、もしかしたら本当に理解することさえ出来ないのかもしれません。

言わば同じバックグラウンドを持った年代同士、言外に通じるもの、共感するものが多いから、現役の皆さんなら感じるツボが似ているはずです。
だから彼女の本棚の本は、多くの中高生が面白いと感じるのではないでしょうか。
きっとハズレなしに楽しめると思います。

もっと気軽に読書を楽しんで

無類の読書好きという愛菜ちゃんですが、司書の目線からみて選書がなかなかニクいセレクトっぷりです。

現在もっとも勢いのある作家さんの小説から近代小説まで、古典や外国の文学だけではなく、自然科学の分野に図鑑も。
偏らない読書と言えばそうなんですが、目の前のものを片っ端から読んでみる無頓着さ(活字中毒に多い)もあるのかもしれません。

それでいいのです。
それがいいのです。

読書は構えて読まなくていいのです。
途中で面白くないと思ったら、中断したっていい。
そして次に進めばいいと思います。
次には面白くって止められないような、そんな本に当たるかもしれません。

難しい本を読む事がエラいわけではありません。
大切なのは、あなたがワクワクすることが書かれているかどうか。
自分の知的欲求が満たされるかどうかなんですから。

でも、とりあえずとっかかりの一冊に迷うあなたへ。
まずは『まなの本棚』があなたの運命の本のナビゲーターになってくれると信じて、読んでみませんか?

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