この物語は百田尚樹氏が2016年に書いた『カエルの楽園』の続編。
百田氏は2006年に50歳で『永遠の0』で小説家デビューし、2019に63歳で小説家引退を表明しているので、今回は久々の執筆(あるいは禁を破っての、ともとれますが)作品となりました。
じつはこの作品は、「小説家になろう」というサイトに無料公開した後に一度削除され、読み逃した読者のラブコールに答えて限定で再掲載したという曰くつきの小説です。
ここを逃したらお蔵入りになるかも⁉そう思っていましたが、無事出版されて安心しています。
だって、やっぱり面白いんですもの!
ナパタージュはどこの国のこと?ツチガエルは?ネタばれアリです。
『カエルの楽園2020』の掲載
小説タイトル:【土日限定】カエルの楽園2020
作者名:百田尚樹
Nコード:N4198GF
https://ncode.syosetu.com/novelview/infotop/ncode/n4198gf/
前作では、二匹のアマガエルのソクラテスとロベルトが生まれた国を追われ、辛い放浪の末についに「楽園」ナパージュに辿り着いたものの、ナパージュが凶悪なウシガエルによって滅ぼされる様を描いています。
悪夢から一夜明けて二匹が迷い込んだのは不思議なパラレルワールド。その中で楽園の国ナパージュに謎の病気が入ってきますが、はたしてナパージュの運命は?
コロナを反映・何に例えている?
百田氏と言えば、政治的に刺激のある言葉を重ねる人物として話題に上ることが多い作家です。
2016年に出版された『カエルの楽園』は、風刺の強さと彼の思想信条ゆえに賛否が分かれる作品になりましたが、彼の強いメッセージは読者に届いたものと感じます。
なかなかの風刺ストーリーなので、モデルがわかりやすく読み取れると思うのですが、大方の読者が想像するところでは、
- ナパージュ国…日本国
- ツチガエル…日本人
- スチームボート…アメリカ
- ウシガエル…中国人
- ヌマガエル…韓国人・エンエンの国
- 三戒…日本国憲法
- デイブレイク…朝日新聞
- 語り屋…マスコミ
- ハンニバル兄弟…自衛隊
- ガルディアン…政党
- ハンドレッド…作者本人の仮託
なのではないかと言われています。
寓話、風刺というにもあまりにも露骨すぎてしまうため複雑な思いになりますが、そのまま作者本人の仮託であろう「ハンドレッド」の作中最後の台詞を読むと、作者に好感を持たずにはいられません。
中国の領海侵犯問題、トランプ大統領誕生、迷走する北朝鮮……『カエルの楽園』の単行本刊行後、物語の内容を思わせる出来事が次々に起こり「予言の書」と呼ばれたのは記憶に新しいところ。
愛国主義とは何か。 平和とは何か。
現実の日本は平和を享受しすぎて三戒云々より、全てが無関心の個人主義化しているのかも…と思っていたところで、今回のコロナ騒動です。
実はもう一つの結末を考えていたという百田氏ですが、今回のこの結末は読者にどのように響くのか…あなたはいかがでしょうか?
まずは自分自身で進むべき道を考えてみませんか。