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【愛読書おすすめ】「リーダーは生まれ持った才能?」5分でNewsweekリーダー論を読む

サム・ポトリッキオ氏が説く「勝ち残る指導者の条件」とは

ポトリッキオ氏は語る。
もしリーダー資質が先天的なものであったならば、リーダシップ論など不要なはずである、と。

「リーダーは持って生まれた資質なのか、それとも育むことが出来るのか」という質問が出ること自体、リーダーの本質が持って生まれたものであると思う人々がとても多いことを示唆する。

リーダーであるということは、追従者たちの面倒を見ることであり、人間の本能を超越した先見の明、鍛錬、そしてエネルギーを持つということだ。

ではリーダーたる人物には、先頭で人々を導くための知識や反本能的な自己犠牲の精神が、何もせずに身に付くのであろうか。

答えは誰が考えても否、だ。
つまり、リーダーは積み重ねた努力が育んだ人物なのである。

以下、リーダーの中でも「勝ち残る指導者の条件として越えるべき4つの弱点とその4つの克服方法を紹介する。

リーダーが乗り越えるべき4つの壁

複雑化する21世紀のリーダーには、自らの脳が命じることに囚われない、つまり自分の人間的衝動を完全に制御できる力が求められる。

では現代のリーダーが乗り越えねければならない、人間の脳が本来的に持つ4つの壁とはなにか。

1.気が散りやすいこと

人間を含め動物の脳は環境への適応性が高い為に、新しい刺激を貪欲に求めるように出来ている。

現代人の場合は、それが最も顕著に表れるのはデジタルコミュニケーションや娯楽等である(いちばん身近な例は新着メッセージやニュースのアラート、携帯電話の着信など)。

技術が進歩してデジタル機器への依存が高まるほどに、人々がうける弊害は大きくなる。まとまった時間にわたり集中力を維持するのはほとんど不可能になり、仕事の効率が下がり、自身のポテンシャルが発揮できなくなるのだ。

新しい切り口や独創性が生まれるのは集中力がピークに達した時であるという統計がある。優れた洞察や革新的な解決策は考えもがき苦しんだ末にひらめくというのに、デジタル機器は現代人から問題に没入する時間を奪い、問題解決へのプロセスをも妨げるのだ。

デジタルに支配される日々の中で、いかに集中力を確保するかが第一の壁の克服となるだろう。

2.仲間内の優遇とよそ者の排斥-内集団バイアス

脳内には「内集団バイアス」とよばれる仲間内を大事にしてよそ者を敵視する傾向がある。顕著な例としては人種・宗教・政治思想などがあるが、移民や難民に対しての排他的な態度を取ることなどがわかりやすいだろう。企業のなかにも潜む悪癖である。

加えて現代社会では、デジタル技術の進歩による「デジタルネイティブ」世代は共感能力が40%低下してるという研究結果もある。他者と接触する機会の減少は自分の考えに固執しがちになり、同じ思想傾向や趣向を持つ人々と群れたがる。異なる価値観や物の見方を理解するにはエネルギーがいるためだ。

もともと内集団バイアスを持つ傾向にある私達は、正確な状況認識とバランスの取れた公正な判断をする為にはどうすればよいだろうか、と常に考えなければならない。

※バイアス=考え方の偏り、偏見

3.確実性への先入観

人間は選択肢があれば、より確実性が高い方を好む傾向がある。それは既知のパターンから生まれている。過大評価に疑問を持たないようにして、不確実や予測不能といった自身を脅かす存在を避けているのだ。

しかし変化の激しい先行き不透明な時代では、いずれにしろ不確実な状況に直面することは避けられない。耐えきれずに安直な答えに飛びつくことは、真の解決から遠ざかることになる。既知のパターンが正しいとは限らない事を忘れてはならない。

4.考えることをさぼる癖

持って生まれた4つ目の弱点は、脳の省エネ傾向だ。使わないで済むなら、出来るだけ蓄えておこうとするエネルギーの自己防衛能力であろう。怠ける、とは違うと思いたいのだが。

そのため人間は大きな問題の解決に取り組むことが苦手だ。他者の意見を聞いても、なかなか自分の考え方を見直そうとはしない。矛盾に耐えきれず理屈をつけて解消しようとするほどである。

だから、敢えて意識的に考えよう。意識的に考える癖をつけることは習慣になる。そうなればもうこっちのものだ。

弱点を克服して、カリスマリーダーをつくる処方箋4点

このように人は生まれながらにして弱点を持っているが、克服する方法はないのだろうか。

人々が陥りがちな弱点を克服できるのは「教育」である。学びへの努力次第で人が陥りがちな弱点、つまり脳のプログラミングは替えることが出来る。教育の目的は脳の生まれつきの「縛り」を外すことであり、それによって「カリスマ性」は生れるのである。

カリスマという言葉は古代ギリシャに由来し「突出する」ことを意味する。人々は安全と保護を切望し、よりカリスマ性のある人物にリーダーという役割を求めるのだ。

ここではカリスマリーダーをつくる為の実践的な方法を4つ処方箋として紹介しよう。

1.未知の分野へ飛び込み、多種多様な経験をする

成長したければ安住の枠外の不慣れな状況に身を置き脳にショックとストレスを与え、摩擦から確かな学びと、対立から創造的な発想を得ることだ。

多種多様な人々と交わること(アクションを起こすこと)には必死で考えることが付きものだ。筋トレと同じで、脳も鍛えれば能力が上がる。異なる価値観や物の見方がぶつかることで入り組んだ難題を解くのに必要な創造性が育まれるのだ。

2.自分の無知を知ることを喜ぶ

自分の知らないことを追求する喜びを求めよう。無意識に自分の考えが正しいと確信すると、自信過剰になる。これを打ち破るには疑問を持ち続ける事である。無知を恐れるのではなく育てるのだ。

時に失敗することもあるだろう。そんな時は失敗を歓迎して乗り越える力を伸ばし、リスクを愉しむ気持ちを刺激しよう。

3.競争の意味を考える

競争とは何か?自分の意見に同意しないで対立する人は、異なる視点に立っている。つまり、敵対する相手がいれば自分が新しい考えを生み出す可能性が高くなるかもしれない。

競争の目的は何かを奪い合うだけではなく、高め合うことであるべきだ。ラテン語の「共に努力する」という意味そのままに、競争は相手の素晴らしい考えを歓迎し自分の考えを洗練させることが出来るのだ。

4.一点集中を重視する

同時に複数の仕事を回す「マルチタスク」ではなく、一つずつ集中する「ユニタスク」にした方が結果的に良い仕事を残すことが出来る。

脳の回路は気が散って集中力を無駄遣いしがちだが、その誘惑を克服して自分の中に蓄えた知性の栄養を活用するのだ。

結論 リーダーは「育むもの」である

サム・ポトリッキオ氏の「勝ち残る指導者の条件」とは、人間の本来持つ注意散漫さや偏狭な世界観・自信過剰や脳の「さぼり癖」を努力で跳ね除け、自分の世界観と本能的な虚栄心に異議を唱えるような知性の衝撃を敢えて受ける者のことである。

リーダーの資質は努力次第で育てることが出来る。むしろ努力や自己鍛錬なしに祀り建てられたリーダーに誰が付いて行きたいと思うだろうか?

自己満足に溺れることなく弱点を認め乗り越えようとする者、その者だけを「カリスマ」と呼ぶことが出来るのである。

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以上、『Newsweek日本版 2019.6.18』から「サム・ポトリッキオ氏が説く“勝ち残る指導者の条件”」の概要を紹介しました。

今まで何冊かリーダー論を読みましたが、この数ページの記事は一冊の本を読んだかのような濃さ。内容には説得力があり、気付きと再認知の宝庫です。

誰しもが持つ“脳のくせ”という視点がとても新しい。
その悪癖を改善するならば誰もがリーダーに成り得るという理論が具体的です。
リーダーを目指す人々にとって非常に頼もしく、勇気をもらえる記事ではないでしょうか。

興味を持たれたら、紙面でも是非ご覧ください。
自分のリーダー資質に悩む人も、カリスマになりたい人も、リーダーとは無関係でいたい人も、一読の価値ありです。

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