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教えて!『うまくいっている人は朝食前にいったい何をしているのか』

私の周りでも朝の早い友人は結構多いのです。

彼らはいつもさっぱりとした身なりをし、穏やかで、にこやかです。そう、間違っても朝一番の集まりにバタバタと遅刻で駆け込んできたりはしない人たちです。

誰もが「早朝の時間」を、一度くらいは経験しているでしょう。

たっぷり睡眠をとって起きる朝の清々しさ。

それは誰にも邪魔されない静けさと、世界を独り占めしているような幸福感に満ちています。自分に気力体力が満ちて、何でも出来るような気持ちになる。こんなワクワクした気持ちで毎日を始められたら、どんなに素敵なことでしょう!

そんな早朝、つまり「朝食前の時間」を”賢く”使っている成功者がとても多いらしい。
逆に言うならば“人より多くの事を達成してる人は、朝の時間の使い方がうまい”ということになります
それは一体どんな使い方なのか?というのが、本書の中身です。

ここでの朝の時間とは、“自分にとって理想の人生に向かって着実にスコアを積み重ねていける時間”を指します

誰よりも成功してる人たちは“私たちが朝食を食べ始めるその前に、すでに何らかの活動を終えている”という事実。

そしてその積み重ねが何年か後にはキャリアを築き、豊かな人間関係を結び、自分を育てることになるという真理!

朝の時間で得られること

朝の時間は貯蓄と同じ

“朝の時間を活用するのは、お給料が入ったらまず貯金をする習慣に似ている。余ったら貯金するという態度ではいつまでたっても貯まらない。”

この本を読んで一番衝撃を受けたのは、朝の時間は貯蓄と考え方が同じだということ。
貯蓄とはなんでしょう?

それは夢の実現のための資金です。つまり朝の時間に行うタスクは、夢を実現するためのタスクの貯蓄

お金には「無駄遣い」という観念があるのだから、時間にも同じ感覚を持たなくてはなりません。ダラダラとした夜更かしの末の寝坊なら、それはきっと時間の無駄遣いなのです。

どうしてもやりたいなら一番最初にやらなければならない。

この考え方は、かの有名なフランクリン・R・コヴィー『7つの習慣』の「最優先事項を優先する」にも通じます。

著者は“成功している人は、やるべきことの優先順位をきちんと決めている。片付けなければならない仕事や、夢の実現につながることを優先している。そして、一日のうちで自分のためだけに使える時間は、朝の時間しかない”と述べています。

朝の時間は、ほぼ100%自分のためだけに使える時間です。緊急の用事も突発的なアクシデントもまだ飛び込んでくることはありません。誰かが深夜にメールを送信していたとしても、返信を期待してる時間でもないはずです。

そして朝の時間はとても生産性が高いのです

思考がクリアで集中力が持続する時間も長いことは、実感として持っている人も多いのではないでしょうか?

以前に紹介した中嶋聡氏の『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか』にもありますが、まさに“ラストスパートよりスタートダッシュ”を髣髴とさせる時間帯です。

イギリスの小説家アンソニー・トロロープの言う通り、不思議なことに“朝の数時間は絶対に裏切らず、必ず物事を達成できる”のである。

習慣は意志力を使わない

早起きそのものがストレスになっては意味がありません。簡単なのは、意志の力に頼らずに目覚められるように習慣化してしまうことでしょう。

早起きが習慣になるまではどのくらいの時間がかかるのでしょうか?
ロンドン大学のフィリッパ・ラリー博士の研究「人間の習慣化」によると、人の習慣パターンは3つに分類され、それぞれに習慣化の期間が異なるようです。

  • 行動習慣(読書・勉強・ブログなど)…1ヶ月
  • 身体習慣(ダイエット・運動・早起きなど)…3ヶ月
  • 思考習慣(論理的思考・プラス思考など)…6ヶ月

この研究によると身体習慣は3か月となっていますが、ここで体験的なアドバイスをすれば、早寝に重点を置いた生活を続けるならば1カ月後には早起き可能になりますよ。

早起きしてまで、やるべきことって何だろう?

朝の習慣に一番向いているのは、面倒くさくてやりたくないけれど、それでもきちんと続けていれば長期的に大きな見返りがあるような活動です。言い換えれば『大切だけれど緊急ではないこと』

朝の習慣に適しているのは、先延ばしにされやすくて、時間を決めなくてもかまわず、意志の力が必要なものがよいとされています。

本書で紹介されている、成功している人たちの朝の習慣としては以下の3種類が主なもの。

  1. キャリア発展につながる行動
  2. 豊かな人間関係につながる行動
  3. 自分を育てる行動

具体的には、
①→優先的に終わらせたい仕事
②→家族や友人との団らんの時間
③→自分自身の学習や体を鍛えること など。

人によっては不足していると感じることに時間を“補う”こともあるでしょう。やりたいことをするために“追加”するという考え方もあるでしょう。

大事なのは、自分が今の生活で何をどう感じているかだということではないでしょうか。事実に目を向け、心の奥底の声を拾い上げ、まずは何か一つ始めることをお勧めしたいです。

「朝の時間」とは最前線の「時間管理術」

この本で語られているのプランニングの重要性は『7つの習慣』にも『マネジメント』にも既に語り尽くされているところです。

誰にでも平等な24時間ですが、人より多くの事を達成している人が一番に大切にしているのが「早朝」という大多数の人々がまだ寝ている時間に投資するという発想ではないでしょうか?

貧富、地域、年齢や性別に関わらず誰にでも平等に与えられる「時間」。1日は24時間だが、全てを主体的に使っている人はどれくらいいるのでしょうか。100%管理して使いこなす自覚の有無が、生き方の差につながるのかもしれないと思います。

「朝の時間」を生み出すことは、時間管理術(タイムマネジメント)の最たるものであると言って過言ではありません。

人の思考、感情、学習の95%は意識されることなく生じていると言われていますが(ジェラルド・ザルトマン、ハーバード大学教授)、朝の時間を意識的に使うことで私たちは昨日よりも意識的な一日を過ごせることになるでしょう!

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