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『繊細すぎてしんどいあなたへ』繊細なのは「多感力」自信に変えよう!

コロナ自粛が解け学校が再開され、校内はにぎやかな声で溢れています。

現在は休校の空白をあっという間に忘れさせ、まるで何もなかった日々の続きに戻ったかのようです。

でも実際は、コロナ前とはちょっと違う世界。

分散登校や半数に分けた授業を行ったとしても、実際に学校に来てしまえば2ⅿ離れておしゃべりをするのも、2m離れてランチを食べるのも無理ですよね。

同じように見えても、今はもう違うんだということ、元の世界には戻れない事実があります。

本当はどの生徒も、学校再開に大なり小なり不安を感じながらの毎日だと思うのです。

実際、生徒たちから様々な不安が見て取れますが、例えば

・本当は接触による感染が怖い
・感染にガサツ、ズボラな人が気になる
・いつも体調が急変しないか不安に思っている
・休校による勉強の遅れが不安だ

等ほとんどの生徒が思っているところですが、特に繊細で多感な生徒はもっと多くの不安を抱えていると感じます。

そこで今回紹介するのは、そんな生徒へのの理解を助けてくれる本『繊細すぎてしんどいあなたへ』です。


「繊細すぎる」という題名になっていますが、対象は特別な症状を持つ人ではなく、いろいろなことが”気になってしまう”人や、思春期特有の悩み、多感な年ごろならではの傷つきやすさを持ったすべての10代の子供たち。

今回の新型コロナウィルスに対する不安も、繊細な子供たちには大きな問題となって当てはまりますので、本当にタイムリーな内容だと思って読みました。

本書は、すべての悩みに先立ち”繊細なことは多感力(多くのことを感じ取る力)である”と肯定的に捉えています。

そして繊細過ぎることは病気ではないとした上で、自分の繊細さの価値を見直し、多感であることの特性を活かしてポジティブに生きるガイドになっているところが素晴らしい。

どれも、悩みを長所としていかに活かしていくかという実際的なアドバイスでばかりで、これほど心強い応援はないのではないかと思える内容でした。

具体的には繊細さを6つのタイプに分け、タイプ別の処方箋を出しています。

  1. 「怒っている人が怖い」タイプ
  2. 「友達の顔色をうかがってしまう」タイプ
  3. 「教室に居づらい」タイプ
  4. 「人の気持ちに気づく」タイプ
  5. 「空想が大好き」なタイプ
  6. 「臭いや音などに敏感」なタイプ

でもこの6つのタイプ、常時ということではなくとも、「今日は教室に居づらい」とか「最近友達の顔色をうかがってしまう」など、傾向的に誰でも軽く1つや2つは当てはまりそうな気もします。

本書では悩む生徒が行く場所として「保健室」や「カウンセラー室」があげられていましたが、実際の現場としては「学校図書館」もまたその一つであると感じます。

それは学校図書館としては、まさに快挙と言ってもよいこと!

だって図書館が自分を取り戻す場所「サードプレイス」としての機能を十分に発揮できているから、生徒が来たいと思うのですから。

そこにこそ、学校司書が出来ることもあると感じています。

ただ寄り添って見守ることの意義、いつも同じくあることの必然性、穏やかな空間を保つことの重要さ。

時には時間が解決することもあります。

その間、気持ちをホッとゆるめることが出来る場所を確保することもまた、アドバイスと同じくらい大きな意味を持つと思うのです。

繊細であることの当事者も非当事者も、互いに特性を理解し合いたい。

きっと『繊細すぎてしんどいあなたへ』は、その第一歩になる1冊ではないでしょうか。