司書コラム

読書感想文の書き方5「題名」の例で今日中に仕上げよう

感想文の題名、簡単に考えてませんか?
まさか、『○○○を読んで』なんて書いてませんよね?

こけしちゃん
こけしちゃん
題名ってそんなに大事?
司書
司書
もちろん題名はすっごく大事ですよ!

感想文の題名は、いわば文の第一印象。
早く本文を読みたくなっちゃうような題名だったら、その時点からもうプラス評価が始まります。

さあ、目を引く気を引く題名の付け方を学びましょう!

コンクール入賞作品の題名

こけしちゃん
こけしちゃん
みんな実際にはどんな題名を付けているのかな?
司書
司書
実際に入賞作品を見てみましょうか。

月刊誌『学校図書館』(発行:全国学校図書館協議会)には、毎年読書感想文コンクールの入賞作品が掲載されます。

今回は2020年2月号に掲載された内閣総理大臣賞・文部科学大臣賞の作品をみていこうと思います。

掲載は小学校から高校までの生徒作品になりますが、そこには特徴が大きく2つに分かれていました。

「感想文の題名」と『本の題名』を比べてみてくださいね。

感想を一言で表現する

「雪っておもしろい」
(対象図書『雪の一生』)

「まどさんの詩について考えたこと」
(対象図書『いわずにおれない』:まどみちお)

「言葉」は人をつなぐ」
(対象図書『舟を編む』)

「「共にいきる」ということ」
(対象図書『自由への長い道:ネルソンマンデラ自伝』)

「四百六十八ページの変化」
(対象図書『ザ・ヘイト・ユー・ギブ:あなたがくれた憎しみ』)

主題を一言で表現する

「神様からの宝物」
(対象図書『希望の筆:ダウン症の書家・金澤翔子物語』)

「気持ちを景色に重ねたら」
(対象図書『中西進の万葉みらい塾:はじめての「万葉集」』)

「悲しみよりも温かさ」
(対象図書『マンザナの風にのせて』)

「おまじないのアメ」
(対象図書『魔女ののろいアメ』)

「自然の恵みに感謝して…ハチごはん」
(対象図書『季節のごちそうハチごはん』)

題名の付け方

読書感想文の題名の付け方を国語科的に捉えるとするならば「思考力、判断力、表現力」の表現の場、となるでしょうか。または「感性や情緒のチカラ」を育成する場、かもしれません。

どの題名を見ても魅力的だと感じるのは、題名に彼らの読後感が強く打ち出されているからです。

その強い表現力が人を引き付けるので、私達は「え、なになに、どういうこと?」と早く読みたい気持ちにさせられるのではないでしょうか。

もちろん題名の付け方として、具体的な方法はいくつかあります。

題名の付け方の具体的技法

○題名の単語をリフレインする(繰り返す)
○印象的な単語を本文から抜き出す
○核となるセリフを引用する
○自分の感想を一文でまとめる
○本の主題を一言であらわす

なお、題名は最初に付けても最後につけても構いませんが、本文を書きあげた後にもう一度確認しましょう。

自分の論点とずれていないか、主題がぶれていないか、あなたが主張したかったことが込められているか、かならず点検することを忘れませんように。

まとめ

印象的な題名の付け方
  • 感想を一言でまとめる
  • 主題を一言でまとめる
  • 印象的な単語を引用する
  • 核となるセリフを引用する
  • 題名の一部を取り入れる
司書
司書
もてるすべての技を駆使して、最後の仕上げに最高の題名をつけてみてくださいね!

 

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