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SDGs『世界がもし100人の村だったら』地球のために出来ることは何?

「世界を100人の村に縮小したらどうなるのか?」そんな素朴な疑問から始まったEメールが発端になって出来た本です。

絵本のような体裁で簡潔な文章とカラフルな画が描かれていますし、情報量としては10分程度で読み終える内容です。

ただ、この本は「可愛らしい絵本」ではありません。

ここに描かれた可愛らしいクレヨン画は『挿絵』が妥当な表現です。絵ですらない、2色に塗られただけのページ達のその内容は、とても濃いのです。

「100人の村」の本当の意味

単に地球の何%を何が占めているのかという問題の可視化で終わらないのところに、この本の本当の意味があります。

提示された事実のその先は、自分の頭で考えなければならない。

世界の富の問題、食料の問題、戦争や紛争が人間にあたえる影響、同性愛、異性愛、人種について…

宗教や国や言語についての統計学の延長上になるため、色んな国や地域があること、それぞれ違う言葉を喋り、信じるものがあり背景があることを、知識として得て初めて感慨を得られる内容です。

そしてそれが机上の物語ではなく、自分が含まれている“事実”であることに気がついたとき、この本の持つ意味が一変するのです。

あなたは村のために何が出来るか

まずは世界を100人の村と例えることで、どこの誰かもわからない、今まで気づくこともなかった、知ろうともしなかった人たちのことが、急に身近に感じられたのではないでしょうか。

そしてもっと深く知りたいと思ったとき、世界が、いえ村が変わるきっかけが出来るのだと思います。

「あなたとは違う人を理解すること
相手をあるがままに受け入れること」

 
人は、十人十色。
頭でわかっていても、理解に苦しむことも、相手を否定したくなることもあります。

でも「私」と同じくらい大切な「あなた」で世界は成り立っている。だから本当はそれが一番大事なことなんだろうと気付きたい。

人の命はどれも同じく尊いという事実と相反して、実際には命はこの世界で等価値として扱われているでしょうか…

いま、私が村のためにできることは何だろう?
99人の隣人のためにどんな事をするべきだろう?

「100人村」について語る時、自分がどれだけ深く考えたかを問われているように思うのです。

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