オリエンテーションの役割
「利用すること」を大前提に組み立てる
学校図書館には「読書・学習・情報」センターの、3つの役割があることは勿論ですが、まずは利用しなければなにも始まりません。
最近は図書館がサード・プレイスと呼ばれることも多くなりました。サード・プレイスとは、コミュニティにおいて自宅や職場や学校とは隔離された、心地のよい第3の居場所を指す言葉です。
自分が自分に戻れる場所、ほっとできる自分だけの居心地の良い場所として「図書館は本を読まなくても利用できるところ」ということも、こんな時代だからこそ、あえて伝えています。
<図書館の使い方として紹介すること>
- 本を読む
- 本を借りる
- 勉強する
- 調べる
- 雑誌を読む
- 待ち合わせ場所にする
- 考え事をする
- 何もしない
利用指導について
<利用指導として伝えたいこと>
- 貸出返却
- 予約・リクエスト
- レファレンス
- 利用マナー
- 開館時間
- 非常扉・非常経路の確認
また災害時の非常経路の確認は是非やっておきたいところです。
本の配架と分類について
<図書館の本の並び方>
- NDCの説明
- 本のラベルの読み方
- 館内の本の配置図
- 新書や文庫などの別置図書の説明
- 雑誌・新聞の案内
- 展示図書の案内 など
レポート作成・メディア活用方法
レポートを作成する機会が多い学校や、パソコンが複数台あり使う頻度が高い学校は、オリエンテーションの中だけでは時間が足りないと思います。
改めて授業内に時間をとって、担当の先生と連動して利用方法を説明するのが望ましいでしょう。
説明する手段と方法
プリントを配布する
「図書館利用の手引き」や「図書館案内」といった、独自で作ったプリントをもとに説明を進めるので、授業タイプのオリエンテーションでよく使います。
伝えたいことが可視化され、生徒の手元に残るという点ではとても優秀なツールですが、その分、訴求力やインパクトは弱くなります。
説明中の私語や雑談が多くなる傾向があり、また説明後にプリントが捨てられて悲しい気持ちになることもあります。
映像(パワーポイント)を使う
パワーポイントなど映像を利用した説明は、視覚に訴える効果が強いですよね。
図や画像を利用することによって言葉だけでは伝わりにくい情報を伝えることが出来、興味を持って説明を聞いてもらえます。
ざわつきがちな場合や、短時間しか取れない場合に、特に有効な方法かと思います。
文字は小見出し程度に抑えて、その都度言葉で説明するのがおすすめです。飽きてきたと感じたら早く切り上げることも、詳細な説明を補充することも出来るからです。
大型ポスターで説明する
パワーポイントよりも手軽に、図解説明が出来ます。また手元に資料が残らない分、プリント配布よりも集中して聞いてもらうことが出来ます。
その後、館内に常時展示できるメリットも大きいですね。
手作りが理想ですが、「図書館ニュース」などのタイムリーなポスターを活用する手もあります。毎年春頃の「NDC」の説明号は素晴らしくわかりやすいです!
実習の形式を取り入れる
クイズなどにして出題する
一通りの説明後に実習をして、知識の定着を促します。手軽なのはクイズ形式ですが、内容によっては興味をもってもらえないこともあります。
生徒の生活に実際に役立つ出題内容にすると、興味を持ってもらえます。
例えば、レポート製作などの資料を探すことが多い学校ではテーマに沿った本の探し方や、指定された本を読む課題が多い学校では検索方法、というように設定します。
またレファレンスを知らない生徒も多いので、過去に実際にあったレファレンスの事例などを紹介するのもおすすめです。
課題の図書を探し出す
本の探し方の実践としては一番いい実習です!絶対取り入れる価値がありますが、方法に工夫が必要です。
個人で課題に取り組むと、1人1人の答え合わせに時間もかかりますし、わからない生徒などはかえって不安にさせてしまうので、グループ学習にするとより効果的です。
読み聞かせをする
意外ですが、高校生でも心に響くのが読み聞かせです。
多様な読み方の出来る絵本がいいですね。
いろいろな解釈があることに驚きを持ったり、自分でかみしめたり。朗読の良さを改めて知る機会になると評判は上々です。
最近のものなら、ヨシタケシンスケさんの本は食いつきがいいですね。
時間が余った時などぜひ!
<おすすめ朗読絵本>
- 大きな木
- わすれられないおくりもの
- 木のうた
- つみきのいえ
- ヨシタケシンスケさんの絵本