司書の仕事をしていると、司書希望の方に就職状況について質問されることが多々あります。
確かに「司書」の仕事って、そとから見ると謎の部分が多いかもしれません。
就職にあたって「なぜこの職業に就きたいと思ったのですか?」という質問は、司書に限らず、どの職業でも同じ意味を持ちます。
おススメしておきたいのは、司書職への適応性と資質の分析です。
ここでは学校司書の仕事に触れながら、司書職関連の面接質問について紹介していきます。
「学校司書」の求人について
図書館司書の勤務先には、国立・公立図書館、私立図書館、学校図書館、大学図書館、博物館内図書館、図書館業務を委託されている民間企業などがあります。
その中でも学校図書館司書の求人は、他の職種と比較すると少ない傾向にあります。
施設としての数が少ないうえに、配置される人数も1~2人だからですね。
さらに学校司書の中でも、学校の種類で求められる仕事内容が違います。
大学図書館では、ほとんどが独立した大きな建物と膨大な蔵書の中で、研究論文や講義のレポートなど作成に必要な専門的な学術書を扱う仕事が主になります。留学生が多かったり、海外の文献などを求められることが多ければ、英語力が必須な場合も珍しくありません。
高校図書館では、公立高校であれば県や市の職員が配属されますので、地方公務員の試験を受けることになります。私立高の場合もこれに準じて、学校職員として正式採用される場合が多いようです。授業内容や、学校の教育態勢と密接に関わる仕事内容が多めです。
中学校・小学校の図書館では、公立の学校の場合、学校司書は時間契約(アルバイトやパート・臨時職員)がほとんどではないでしょうか。
反対に私立学校で図書館教育に力を入れている学校は正式採用として、図書館学だけでなく教育学にも通じた正職員を求める事が多いようです。
司書採用試験の面接質問は、それぞれ特色に応じたものになりますが、ここでは「学校図書館」の面接質問について特化して紹介します。
雇用形態は、正職員採用・アルバイトやパート・臨時職員と様々になりますが、例えアルバイトという形での雇用形態でも、仕事内容は変わりません。
「なぜ司書を志したのか?」について、自分の言葉でまとめた上で、図書館司書の面接に臨んでいきたいところです。
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実際に多い学校司書面接の質問例
- 自己PR
- 自身の長所・短所
- 最近の気になるニュース
- 図書司書としての志望動機
- なぜ司書の資格を取ったのか
- 司書の資格を取って図書館を見る目はどう変わったか
- 司書のやりがいとは何か
- あなたにとって図書館とは何か
- 図書館とはどういう場所であるべきか
- 学校における図書館の役割
- あなたにとって本とは何か
- 今まで感銘を受けた本と理由
- 本好きな子ばかりではないがどうするか
- ヤンチャなことをしている子がいたらどうするか
- 言うことをきかない子がいたらどうするか
- 他の職員に自ら積極的に関われるか
- 子供の読書離れが問題だが、どのように考えているか
- あなたが学校図書館に入ったら何をやりたいか
- 1人職場の学校司書に応募しようと思ったのはなぜか
これらの質問に正解はなく、答えは一人一人違うものになって当然です。
自分の考えるところを、自分の言葉で相手に伝えられればいいですね!
学校司書としての役割は何か?
私は高校の学校司書ですが、近年、教育面で高校図書館の位置付けが変化してきたと肌で感じています。
特に【情報ステーション=学校図書館】という意味においては、GIGAスクール構想やICT教育などの内容についても関心を持って図書館と紐づけて考えていく工夫が求められます。
これは、もしかしたら小中学校のほうがGIGAスクール構想が直接的な立場になりますので、影響は大きいかもしれません。
https://donguri5.com/interview/giga-school-ict-education
実際に新型コロナで休校が続いた時期には、教育が変換していく瞬間に立ち会い、教職員共に新しいカタチの教育に対して自分に何ができるかを問われました。
ある程度の指針は文科省から示されたものの、自校に合う対応はそれぞれの図書館担当に任されたのです。
https://donguri5.com/librarianship/school-librarian/sla-guideline2020
学校司書のやりがいとは
司書は、基本的に学校に1人の配属となる職種なので、全ての業務を一人で行わなければなりません。
しかし、言い換えればそれは自分の感性に基づいて図書館づくりができるということです。
利用者と距離が近いので、一人ひとりと直に向き合えることは大きな魅力の1つです。
利用者(生徒・教員)の細かな要望を聞き取ったり、新しい図書館利用のアプローチを考えたり、毎日がイノベーションです。
また学校教育と連動して電子書籍化などの運営にアプローチすることも必要です。
単に学校図書館の管理運営と思わずに、生徒たちの教育や生涯教育の礎として広いビジョンで考えたいと、私自身は思っています。
条件に「司書資格不要」であっても、採用されたら是非「司書資格」の勉強をお勧めします!
学校教育の今を知ってこそ、図書館活動の在り方がわかります。業務のすべての意味が違って見えること、間違いなしです。
司書は、本と人との出会いを取り持つ、素敵な職業です。
希望される方の願いが叶うことをお祈りいたしております。