2021年1月から初めて、大学入試「共通テスト」が実施されますが、それに先立ち、4年後2025年からの「共通テスト」の内容の検討案がまとまりました。
新しい「2025年共通テスト」の内容には、新教科『情報』も加わります。
また、今回見送られた英語の4技能テスト(ライティング・リスニング・リーディング・スピーキング)はどうなるのでしょうか?
詳しく見ていきましょう!
2025年共通テストの内容・現行と変わった点と理由
なぜ共通テストは2025年から変わるのか?
新・学習指導要領の内容が違うから
30年続いたセンター試験から「共通テスト」に移行したばかりの2021年。
なぜ4年後に、また内容を変更することになったのでしょうか?
それは、新・学習指導要領で学んでいる現在の中学2年生が大学受験をする年が2025年だからなのです。
現中3生と中2生では学習指導要領の学習内容が違うために、2025年の区切りで試験内容を変える必要がありました。
社会環境の変化
『情報』の教科が入試科目に入った経緯には、社会のグローバル化やIT化への大きな変化があります。
この世界的な流れの中で、日本の子ども達も生きていく上で必要な資質の一つに『情報シテラシー』が加わったのは必須ではないでしょうか。
今までは一部の人の特殊技能のように扱われていたプログラミングなどが、基礎学力の一つに考えられてきたのも同様の理由によるものと思われます。
また『公民』の科目の再編成も、18歳で選挙権の導入といった背景もあってのことと推測されます。
こう考えていくと2025年「共通テスト」内容の変化は、実社会での個人の対応力を高めるため、アクティブな学びを支えるための変化、と考えられるのではないでしょうか。
2025年共通テストで変わる内容は?
新教科『情報』が増えた
2020年度共通テスト受験科目は「6教科30科目」ですが、2025年度の共通テストは「7教科21科目」になります。
大きな変化としては、新科目『情報』が増えたことが挙げられます。
近年、学校教育でもITC教育などプログラミングや情報通信ネットワークのシステムを活用することが活発になり、『情報科』が課目として重要視されたことが理由です。
出題形式は「マークシート式」になります。
本来ならばパソコン・タブレット活用が望ましいとしながらも、
- 均質な受験環境の確保が難しい
- 機械的なトラブルを排除できない
など公平性の観点からデバイス活用を今回は見送りました。
科目数が30から21に減った
新教科が増えた半面、科目は再編成が行われ30科目から21科目になりました。
大きく変わった点
- 地歴公民の科目編成
- 数学の科目編成
- 理科の基礎科目が全部ひとつになった
具体的な科目名は以下の通りです。
『国語』教科・1科目
「国語」
『地理歴史』『公民』教科・6科目
「地理総合、地理探究」
「歴史総合、日本史探究」
「歴史総合、世界史探究」
「公共、倫理」
「公共、政治・経済」
「地理総合、歴史総合、公共」
『数学』教科・3科目
「数学1」
「数学1、数学A」
「数学2、数学B、数学C」
『理科』教科・5科目
「基礎」
「物理」
「化学」
「生物」
「地学」
『外国語』教科・5科目
「英語」
「ドイツ語」
「フランス語」
「中国語」
「韓国語」
『情報』教科・1科目
「情報」
英語の受験科目はどうなったのか?
2020年度の共通テストでも、英語4技能「リーディング」「リスニング」「スピーキング」「ライティング」の試験をどうするかが大きな議論を呼びました。
その議論を踏まえ、2025年からの共通テストでも「リーディング・リスニング」のみの試験となりました。
引き続き「スピーキング・ライティング」技能の試験形態は導入しないことが決定しました。
記述式?マークシート式?
出題形式については、特に発表の中では触れられていないので、現状通りのマークシート式と考えてよいようです。
正式発表の時に公表されるでしょう。
詳細決定はいつ?
「共通テスト」の作成にかかわる大学入試センターは、関係団体の意見を踏まえて修正を行い、今年度中(2021年3月まで)に一定の結論を出すことにしています。
(参照記事;NHK NEWS WEB)