【入れる】自校図書館にちょうど良い蔵書数を決めよう
まずは最適な蔵書量を決めましょう。
生徒が自由に手に取れる一般開架の最大冊数、閉架の書庫がある場合はそちらの最大冊数も把握します。
それから一年間に配架予定の冊数を調べます。大体、前年度を目安に考えます。
最初に設定した最大冊数から、配架予定冊数を引いた冊数が年度初めの蔵書数なのが理想です。これは廃棄タイミングを1回に設定した場合。
毎月除籍作業を行う場合は、月ごとの入荷数に合わせ蔵書数を決めます。
そうすると年度終わりに、ちょうど最大冊数になります。
3月は蔵書点検後に、1年間の貸出状況をもとに最終除籍をしています!
【入れる】蔵書構成と、かたよりをチェック
図書館にはあってしかるべき必須の本という分野があります。
大抵最初に揃えるものですが、新旧更新の時などに購入し忘れていることもあるので、一度確認しておくとよいと思います。
主な種類 | 百科事典、専門事典、辞典、年鑑、統計、白書、叢書、全集、翻訳書、実用書、技術書、自然科学系の図鑑、地図、趣味リクリエーション書、学習参考書、伝説、民話、神話、地域の書、教師向けの研究書や学術書、宗教書、政治関連本、性の本、写真集、伝記、手記、必要に応じて漫画や雑誌 |
---|
また自校の蔵書構成も把握しておくと、何が足りないのかがわかります。
これは高校基準のモデルです。ぜひ自校と比べてみてください。
高校基準(%) | |
0(総記) | 6 |
1(哲学) | 9 |
2(歴史) | 15 |
3(社会科学) | 11 |
4(自然科学) | 16 |
5(技術) | 6 |
6(産業) | 5 |
7(芸術) | 7 |
8(言語) | 6 |
9(文学) | 19 |
合計 | 100% |
【入れる】特色ある図書館作りで呼び込もう!
特色のある図書館づくりは確かに大切です。
しかし基本は蔵書の構成に偏りがなく、選書に一貫性があることが大前提です。
そして高校ならば高校水準に合わせた本が中心であるべきだと感じています。
各校で「うちには難しすぎる」「うちには易しすぎる」と思うこともあるかもしれませんが、それはあくまでも自校の特色としてプラスしていく部分ではないかと思います。
芸術に特化した学校ならば芸術分野を多く揃えたり、生徒のレベルに合わせて大学にあるような学術書を数多く置いたり、ペーパーバックや洋書をたくさん集めたり、反対に図書に親しみを持てるように写真の多い図鑑や学習漫画を揃えるのもよいと思います。
まずは学校の運営方針と図書館の特色の方向が合致している事が大切です。要覧や学校案内、教育目標や経営計画に合わせて、特色の方向性を決めましょう。
その上で実際の利用状況を重ねていけば、我が校の生徒が望む図書館・教職員が望む図書館・司書が目指す図書館像がおのずと浮かんでくるのではないでしょうか。
実際の利用頻度や貸出状況、生徒が使う分野が肌感覚でわかるのは司書職だけ。これこそ司書の腕の見せ所です。
その学校らしい、魅力的な図書館を目指したいですね。私も頑張ります!