司書のしごと

司書は雇用形態で給与が違う!正規雇用で働く?契約社員で働く?司書求人について

司書として勤務している職員の中には、残念ながら待遇の差があります。
正規雇用と非正規雇用(契約社員)。このふたつの間にはとても高い溝があります。
その仕組みと、現状について見ていきましょう。

あなたが理想とする司書勤務の形態は?

司書は「国家資格」を使って働くのだし、教育の手助けになる仕事をしてるのだから、高待遇で高所得で各種手当ても厚く付いて…誰もが最初は司書の勤務について、そう思って目指しているのではないでしょうか?

ところが実際は違うのが日本の司書の待遇です。図書館運営の違いによって異なるのです。公共機関の運営であれば自治体の公務員なので、基本的に自治体の給与基準に倣います。

しかし同じ公務員であっても、図書館職員を専門職として扱うかどうかはまた別の問題です。民間の運営であればなおさら違いが出てきます。

そして、さらに正規雇用と非正規雇用…細分化されるほど、待遇の差も変わってしまうのです。

司書の仕事の内容は一般事務員と異なり、専門性が求められています。しかし業界全体としても、それが仕事内容に見合った給与であるかどうかは甚だ疑問なところ。

正直、日本の司書の待遇はあまり良いとはいえません。

雇用形態にもいろいろある

まずは雇用形態のおさらい

雇用には「正規雇用」と「非正規雇用」があります。

<正規雇用>
正社員・正職員のこと。
雇用期間の定めがないので、解雇されない限り終身雇用である。
基本的にフルタイム勤務で、月給制である。
基本的に昇給があり、勤続年数と共に収入が増加する。

<非正規雇用>
契約社員(職員)・アルバイト・パートなど、一定の雇用期間を定めて働く人のこと。非常勤という呼び方のこともある。
有期契約で働くため、基本的に雇用期間が終われば雇用契約が終了する。
給与の支払いは時間給だったり様々である。
基本的には昇給はない。

最近増えている「派遣社員」という働き方

最近はどの形態の図書館にも、派遣社員(職員)が多くみられるようになりました。
少し複雑な雇用制度です。

派遣社員

人材派遣会社と雇用契約を結び、紹介された企業(派遣先)で勤務する労働者を派遣社員とよびます。
契約社員と同様に契約があり、再契約は労働者と派遣先の企業との話し合いで決定します。「労働者」「人材派遣会社」「派遣先」の三角関係の少し複雑な労働形態です。「労働派遣法」による他の雇用形態とは違ったルールがあります。

待遇の差

例として、過去に勤務したうちの2つの学校を例にしたいと思います。両方とも私立学校でしたが、一方は学校司書を正規職員として雇用していたのに対し、もう一方は図書事務員としての雇用で非常勤講師(非正規雇用)でした。実際の仕事内容にあまり差はありませんでした。では何が違うかというと、学校が教育の場として図書館をどのように考えているか、その意識の差が待遇の差のようでした。

1)正規雇用の例

この学校では授業で積極的に図書館を活用し、すべてのクラスで週に一度以上は図書館を使う授業が組み込まれていました。主題は担任教師が定めそれに沿って個人でテーマを設定し、調べてまとめて発表、それについて他の生徒が意見する、までが流れです。

内容は、初めは研修旅行の行先調べのような簡単なことから始まりますが、徐々に難易度が上がり、最終学年では世界の時事問題をクラスでディベートできるまでになっていました。司書は問い合わせに応じ資料を探す手伝いをしますが、テーマの設定までたどり着けない生徒にはアドバイスすることもありました。その調べ学習の時間は、担任教師と司書が担当して授業を進める形になります。

また英語教科の英文多読も奨励していて、難易度レベルの違う洋書がたくさん図書館に置いてあります。学年ごとに何レベルまで読む、という目標が設定されていたため、生徒が必ず貸出に訪れるので、一緒に一般図書の貸出率も高くなっていました。

正直、進学校というほど偏差値も高くなく、おっとりした品の良い子女が多い学校です。しかし、朝読書やビブリオバトルなど他の読書活動も盛んで、学校として「学び」の姿勢を大切にしていることが伝わります。図書館の活用の仕方は見事で、司書として質も量も充実した勤務が出来ました。

2)非正規雇用の例

こちらの学校では図書事務員での雇用でしたが、仕事内容は学校司書と同じです。貸し出しや図書の管理といった基本的な業務の他に、図書委員会活動の補助や視聴覚機材の管理もありました。しかし残念なことに図書館はあまり活用されていませんでした。授業に使われることも稀で、どちらかというと空き時間を過ごす場所としての色合いが強く、放課後の自主勉強室や2者面談の部屋、学校行事の控室として使われることが多かったです。

図書館運営に関与する人員が少なかったため、(司書教諭はいましたが、私のほうが経験と知識があったので)私が図書の選定から予算管理まで行いました。私の業績として文書などには残りませんし給与にも影響しませんが、運営を自分の自在にできるのは司書冥利に尽きました。司書の仕事のやりがい自体は感じることが出来ましたが、内容に見合った処遇ではなかった印象です。

自分のライフワークバランスを考えよう

毎年、司書の資格保持者は増えるばかりですが、現在司書の職に就けるのはその僅か3%だそうです。いかに狭き門かがわかる数字ですね。

あなたはどのように「司書として」働きたいのでしょうか?
生活を賄えるだけの給与が必要で司書をしたいなら、派遣社員という考え方もあります。採用基準も正規雇用より緩やかなので、司書の職に就く確率は高くなります。
もしくは、育児や介護など家庭と仕事を両立させながら司書をしたいならば、時間に余裕のある契約社員も合っていると思います。

しかし、人生の基盤の職業として司書を選ぶならば、正規雇用を目指すべきでしょう。
正規雇用の立場であれば運営まで携われる機会が多く、その分やりがいも大きくなります。

正規採用は難易度が高いですから、初年度に合格できなかったとしても、契約や派遣で図書館員として働きながら採用試験の勉強をしている人はたくさんいます。

またそんな一生懸命な姿が目にとまり、突発的な職員補充の採用試験を教えてもらったり、私設図書館に採用の声をかけられることもけっこうあります。

今は色々な働き方が出来る時代です。自分の働き方のニーズに合った雇用形態を考えて選択しましょう。

正規職員としてフルタイム働くか、時間で区切って契約職員として働くか、それはあなた幸せな「司書」人生に欠かせないライフワークバランス実現の一歩です。