大学受験対策

赤本はいつから始める?国立大・私立大の受験勉強に使うベストなタイミングとは

赤本はいつから始める?

大学受験を意識し始めたら、気になる存在が「赤本」です。

赤本の正式名称は教学社「大学入試シリーズ」

教学社(きょうがくしゃ)という出版社が出している、大学別の入試問題と答えが掲載されている問題集です。

もちろんいつ使ってもいいのですが、出題内容は高3の最後までの範囲ですし、直近の問題は実力判断のために無駄に使いたくない!…が本音。

ではいつ使うのがもっとも効果的なのでしょうか?

赤本は2回使う

長年進路指導をしている担当教諭・受験を経験した卒業生・大手塾の講師…実はみなさん、ほぼ同じことをおっしゃいます。

最初は「志望校を決めた時」。

次は受験勉強の「基礎固めが終わった時」。

1回目は志望校を決めた時

大体高校2年の夏頃に、自分の進みたい大学が具体的になる人が多くなります。

今までの学校の成績、全国模試の順位、自分の憧れ、そして現実…複合的な要素が可視化された、最初の段階の志望校です。

今までたくさんの生徒を見てきましたが、受験でこの段階よりも高い偏差値の大学を受けることはほぼありません。(浪人生でたまにありますが、レアケースです。)

ですから、この段階で最初の赤本体験として一度過去問を解いてみるのは良いタイミングです。

司書
司書
赤本を解く時は偏差値の高い順から手を付けるのが鉄則!

内容的に解ける部分も少ないでしょうが、
・難易度
・方向性
など大体の感触を知ることが目的です。

何より一番の効果は、モチベーションを上げること!

この時点で赤本を買うのもアリです。

本棚に志望大学の赤本があるというのは、受験勉強の環境としては最高の条件になるはずですから。

2回目は基礎固めが終わった時

受験勉強をいつ始めるかにもよりますが、標準的な受験プランで進めた場合には高3夏に一通りの基礎固めが終わるはずです。

※詳しくは受験勉強はいつから始めるをお読みください。

基礎固めが終わったときが次のタイミングです。ここで赤本を解きます。

なぜこのタイミングかというと、この後の勉強で発展問題や苦手分野などに進む前に方向性を見極めるためなのです。

つまり、計画と対策を立てるための布石としての活用なのです。

ここで気をつけたいのは、何年前の問題を解くかというところ。

この段階で直近の問題を解くのはもったいない!できれば3年前くらいの問題で試してみると良いようです。

※過去の赤本はどこで手に入れる?

私立大受験の赤本の使い方

私立大を受験する場合(共通テスト利用を除く)、基礎固め後は基本的に赤本(過去問)に沿って受験勉強をすすめることになります。

私立大は独自の問題になるので、

・基本問題と応用問題どちらが多いか
・マーク式と記述式どちらか
・時間と問題量はどうか
・論述問題の難易度と量
・計算問題の難易度と量

などをチェックが必要です。

内容がわかれば、自分の弱い分野や不足している力も浮き彫りになります。そうすると対策も個人個人で違ってくるでしょう。

過去問を解いたら、重点的に勉強する部分を決める。それをもとに、次の過去問を解く、を繰り返しましょう。

国立大受験の赤本の使い方

2次試験対策のタイミングとは

国立大の赤本は、大学の個別学力検査(2次試験)の問題集です。

国立大の場合は2次試験の前に共通テストを受けるので、赤本を使った勉強法は私立大と違ってきます。

一般的な勉強法では、「共通テスト」と「2次試験」を並行して進めることになるでしょう。

まずは共通テストを良い点数で通過しなければ志望校にたどり着けないので、共通テストを重点的にやり込みたいところですが、共通テスト後2次試験までは時間がありません。

遅くとも高3夏休み終わり頃から、赤本に本格的に取り組むのがおすすめです。

できれば共通テストと並行学習がいいのですが、どちらかに絞りたいという人もいると思います。

そうであれば秋の初め(目安は9月)は2次試験だけに集中して赤本に取り組み、その後共通テストと並行してすすめるのも良いようです。

偏差値別の2次対策

中堅国立大

2次試験が共通のテストと同レベル問題が出題される大学は、共通テストの勉強をメインに据えて勉強してかまいません。

共通テストの勉強をすることが2次対策にもなるわけですから、その方が効率よい勉強ができます。

とは言え2次試験独自の出題方法を知る必要がありますから、秋頃に赤本にまとめて取り組む時間が必要です。

その後自分の不足部分を補いながら共通テストの勉強を進め、まずは共通テスト突破を目指します。

そして共通テスト後に改めて2次試験に向けて取り組む方法がスタンダードです。

難関国立大

難関国立大を目指す場合には、しっかりとした2次対策が必要です。

2次試験で大逆転、ということも十分ありえるので、ここはきちんと抑えておきたいところです。

秋口までに、ひとまず受験大学に合わせたレベルの復習を終わらせておきます。(例えば東北大学なら数学は青チャートのレベル3あたりまで解けるようになる、など)

そして9月10月あたりから赤本を使って、本格的に過去問対策の演習を行います。

直近の問題は実際の入試に近い傾向があるので、古い問題から手を付けましょう。

10年分解くのがスタンダード、と言われていますので、10年前の問題から始めるのがおすすめです。

しっかりとした2次対策ナシに挑むことができないのが国立難関大ですが、共通テストで足切りにあっては元も子もありません。

11月半ばころには共通テストの勉強に戻りましょう。この時に安心して共通テストに没頭できるように、秋の2次対策を濃くやり込めるかどうかが合格のカギとなります。

まとめ

時間はあって無いように感じられますが、一歩一歩の積み重ねが力になります。

赤本には、それぞれ冒頭に各大学の傾向と対策がしっかり載っています。

やみくもに始めるのではなく、目標を立て目的を持った勉強が自身を与えてくれるはず。

今の自分はどの位置にいるのかを確かめながら、しっかりと赤本を使いこなしてください!

合わせて読んでみよう