受験や試験に関する文面で、最近「CBT」という言葉を見かけませんか?
実はこの「CBT」はこれから主流になりつつあります。
そこでこの記事では、学校教育・受験・試験といった分野の話題に対応できるように「CBT」について解説していきます。
「CBT」の内容・利用例・導入のメリットとデメリット
「CBT」とは何の略?
「CBT」とは、Computer Based Testing の頭文字。
字面からもわかるように「試験に関わる全てをコンピューター上で行うこと」という意味で使う言葉です。
「すべてコンピューターで」とはどういうことでしょうか?
ざっくり説明すると、ネットで申し込んで、テストセンターに行ってパソコンで試験を受けて、メールで合否判定を受け取る、ということです。
従来の試験では主催者側が設定した会場に受験者が一堂に集まり、筆記試験を受け、郵送や電話で合否判定を知る、というものでした。
それが、コンピューターで試験を実施することによって「受験申込・試験実施・合否通知まで自動化」されることになります。
「CBT」はどうやって受けるの?
CBTでは、受験者はコンピューターによって画面に表示される問題を、マウスやキーボード、タッチペンなどを用いて解答します。
コンピューター環境が整えば場所を選ばす受験することが可能ですが、「CBT」は公平性を保つために主催者が指定する会場で行われることが多いようです。
ちなみに自宅で受験する場合にはWBT(Web Based Testing)やIBT(Internet Based Testing)という言葉を用います。
日本でも「CBT」は使われている?
日本でメジャーな試験では、「漢検」(漢字検定)、「英検」(英語検定)などがCTB式を利用して試験をおこなっています。
その他にも、大学の語学入試、企業の採用試験や社内評価試験などにもCBT導入がすすんでいますので、次世代型の試験モデルとして主流になると言われています。
<CBT試験の例>
- 日本漢字能力試験(漢検)
- 実用英語技能検定(英検)
- マイクロソフト認定プロフェッショナル
- Microsoft office specialist(MOUS)
- 日商PC検定試験
- 日商プログラミング検定
- 日商ビジネス英語検定
- パソコン検定
- ITパスポート試験
- 日経TEST
- 情報検定(J検)
「CBT」のメリット・デメリット
メリット
受験タイミングが増える
多くの場合いままでの試験よりも日時や会場が増えるので、受験できるチャンスが多く なります。
会場が都心だけだったりして、時間や費用などの面で今まで受けたくても諦めていた人には最大のメリットではないでしょうか。
対応が迅速でカンタン
災害や流行感染症、その他にも思いがけない出来事で試験が中止や延期になってしまったら、大きなダメージを負う受験者もいるはずです。
そんな時にもCTBは振り替えや代替などの試験対応や手続きが、比較的簡単で迅速であると言われています。
予測不能な世の中、いざという時の対応システムほど頼りになるものはありません。
問題漏洩やカンニングされにくい
公平性という意味では、CBTは非常に優れたロールモデルです。
事前の問題管理やテスト後の解答の管理も、コンピューターによってセキュリティが守られているため安心です。
隣席で同じ試験を解いていても、解答問題の順番を変えたり、同レベルの問題をランダム出題したりといったこともできるので、カンニングしにくい環境を作ることが可能です。
各人が不利にならないということは、とても大きなメリットだと考えらえます。
デメリット
パソコン技術が必要
特段難しい操作は必要ありませんが、例えば年少者や高齢者や学習障害がある方などでパソコン操作が苦手な方には、向いていない方法かもしれません。
料金が高い場合もある
現行で通常の試験と、「CBT」を並行して行っている英検などの場合は、CBTのほうが費用が高いようです。
ただし居住地によっては、旅費を考えたら安い場合もあります。
また仕事を休んだりすることを考えたら、その人にとっての価値はかわってくるでしょう。
「CBT」はなぜ増えている?
一番大きな理由としては、国が業務や文書の電子化を推進しているため業界に追い風が吹いているからだと思います。
2019年3月に、政府から2026年度をめどに公文書の管理を紙から電子化へ全面移行する方針が打ち出されました。
そのためテスト形式においても、従来の紙を多く使う筆記試験形式からコンピュータ入力の試験方式に移る主催団体がどんどん増えているようです。
また、このところの自然災害や感染症の流行などにより、試験会場や試験機会が複数から選べることなども、大きな理由ではないでしょうか。
いずれにせよこの「CBT」はこれからもっと普及することに疑う余地はないでしょう。
新しい形態として、是非覚えておきたい言葉です。