いよいよ今年のセンター試験が始まりました。
奇しくも我が家は、父が「ラスト共通一次試験」(昭和45年生まれ)、娘が「ラストセンター試験」(平成13年生まれ)を受験する巡り合わせ…
なんだか感慨深いものがありますが、来年から新しく「大学共通テスト」に切り替わることも含めて、新制度に切り替わる時の改革ポイントを調べてみたいと思います。
なぜ共通一次は終わったのか?
共通一次(正式名称:大学共通一次学力試験)は1979年1月から1989年1月まで11年間にわたりすべての国公立大学・産業医科大学の入学志願者を対象に行われました。
この時初めて国公立大の受験でマークシート方式が採用され、その革新的採用には賛否両論さまざまな意見が飛び交いました。
試験の目的は、共通の試験問題による基礎学力試験。開始当初、受験生は共通一次の結果をもとに全国の国公立・産業医科大学の1校のみ志願して二次試験を1回だけ受験する制度でした。
試験科目は国語、数学、社会、理科、英語の5教科7科目(理科2科目・社会2科目は選択制)で合計1000点満点です。
1校1発勝負!!!!
日本男児・大和撫子にふさわしく、清々しいまでの潔さですが…
世間から「大学の序列化を招く」「受験地獄を悪化させる」などの批判が大きくなり、制度の見直しを余儀なくされる事態となりました。
共通一次最後の3年間は毎年制度が変更…
1校を1度きりの受験という極限状態受験の批判を受け、最後の三年間は毎年変更が加えられながらの試験になっています。
その3年間の試験科目は国語、数学、社会、理科、英語の5教科5科目(理科1科目・社会1科目は選択制)で合計800点満点に変更。選択科目を減らすことにより、満点点数も減らしています。
さらに、共通一次の結果をもとに、二次試験の日程別にグループ分けされた国公立・産業医科大の中から最大3校を3回受験できるという、今のセンター試験に近い形が出来上がりました。
しかしこの変遷期には様々なトラブルが起きました。
1987年には、グループ分けの関係で東京大学と京都大学のW合格者の多くが東京大学に入学するという偏りが出たり、足きりで二次試験前に早々に浪人決定者が出たり…
それに伴う毎年の制度変更は、受験生も学校も対応が大変だったことでしょうね。
現場のドタバタぶりは、もしかしたら「大学入学共通テスト」導入前の今の状態と似ているのかもしれません。
制度が改革された「大学入試センター試験」
共通一次からの制度改革がなされ、1990年に第1回「大学入学センター試験」が行われました。
国公立大に関しては、出願資格を「センター試験で本学が指定した教科・科目を受験した者」と定めました。
生徒の学力低下を懸念して、ほとんどの国公立大学ではセンター試験で5(または6)教科7(または8)科目、合計950点分の受験を必須としています。
●私立大学も試験成績を利用できるように流動性を持たせた
●2006年から世界初のICプレーヤーを利用したリスニングテストを実施した
●科目の時間の見直し(国語・外国語を100分から80分に変更)
●科目の科目のグループ分けなどを変更
●「*」マークを廃止
●学習指導要領の改訂に伴う試験内容を随時変更
数年ごとの学習指導要領の改訂に伴う試験内容の変更などを重ねながら、30年間に渡り行われてきたセンター試験ですが、令和3年の1月から「大学入学共通テスト」が新しく導入されることが決まりました。
新制度「大学入学共通テスト」に向けて
すべからく、歴史は淘汰されるもの。そして構築されるもの。
長年続いてきたセンター試験でしたが、実施されている中でやはり次の課題が見えてきました。
https://donguri5.com/interview/last-dnc2
それを踏まえての新制度の大きな目的は「高等学校教育の質の確保と向上」とされています。
当初は
・CBT方式(パソコンに表示される問題をキーボードやマウスを使って解答する)
・国語と数学の記述式問題の導入
・英語民間試験の活用
などが提案されていましたが、2020年1月現在はすべて見送りや延期などになっています。
なお、試験運営元である独立行政法人大学入試センターでは、令和2年度大学入学共通テストについての詳しいことは令和2年6月までに公表するとしていますので、発表を心待ちにしましょう!