学校図書館

学校図書館の新しい生活様式「持続的な運営ガイドライン」とは?文科省の方針と照合して考える

長い休校が明け、少し日常が戻ってきたと感じながらも、「withコロナ時代」として新たな幕を切った学校の再開です。

2020年6月5日には文部科学省が、2020年5月14日には全国学校図書館協議会が、それぞれ学校図書館運営のガイドラインを出しています。

今回は私たち学校図書館司書が守るべきラインとは何かを、両方の文書をすり合わせながら考えていきます。

文科省の「持続的な学校運営のためのガイドライン」とは?

2020年6月5日には文部科学省が、「新型コロナウイルス感染症に対応した持続的な学校運営のためのガイドライン」に関する通知文書を発出しました。

学校図書館の活用

学校図書館については,感染症対策を徹底した上で,時間帯を決めるなどして貸出等を行うことが望ましいことのほか,特に分散登校をする場合において時間帯により登校する児童生徒が変わる場合,学校図書館を児童生徒の自習スペースとして活用することも考えられる。

 

また、4月23日付けの「新型コロナウイルス感染症に対応した小学校,中学校,高等学校
及び特別支援学校等における教育活動の再開等に関するQ&A」の中では、図書館についてこのように記されています。

【図書館等の活用に関すること】
問85 学校臨時休業中の図書館の開館、利用は可能なのか。

○ 子供の読書活動は、言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、創造力を豊かなものに
し、人生をより深く生きる力を身に付けていく上で欠くことのできないものです。

○ 公益社団法人日本図書館協会が2月28日に公表した「新型コロナウイルス感染症に
よる学校休校に係る図書館の対応について」では、「学校が休校になった場合、児童生
徒が図書館(中略)を訪れる可能性は高いと思われます。各図書館・学校図書館におか
れましては、自治体、教育委員会、設置母体等と、密接に情報交換・協議をして歩調を
合わせ、それぞれの地域の状況に適した、感染拡大を防ぐ対応を図っていただきたい」
とされています。

○ その後、新型コロナウイルス感染症のまん延防止対策として「三つの密」を避けるこ
とが強く要請されていますが、中には、感染拡大防止のための対策を講じながら、

  1. 公共図書館や学校図書館の休館中においても、電話やインターネットで予約した本
    の貸出や、自宅への郵送サービス等を行う。
  2. レファレンスサービスや、児童生徒を対象とした司書のおすすめ本を紹介する選書
    サービスを実施する。
  3. 図書館のホームページで読み聞かせ動画コンテンツを公開している。
  4. 学校図書室を児童の自主学習スペースとして活用する。

等の取組を行っている例があります。

 

全国学校図書館協議会の「学校図書館の活動ガイドライン」とは?

また全国学校図書館協議会でも、2020年5月14日「新型コロナウイルス感染症拡大防止対策下における学校図書館の活動ガイドライン」を策定しています。

こちらは「学校図書館」を中心に据えているので、より具体的で参考になります!

ボリュームがあるため別記事で紹介します。ぜひご参照下さい。

https://donguri5.com/librarianship/school-librarian/sla-guideline2020

学校図書館は学校の中に位置する特性上、それぞれの状況等により出来る対策が違う面も多くなります。

しかし「学校図書館協議会」のガイドラインは、いずれの学校図書館も重なる部分が広いと感じます。

地域性や学校の特徴を活かしつつ、活用したいと思っています。

共通するポイントは2つ

「コロナと共に生きる学校生活」で学校図書館が掲げることは“学びを止めるな!”に尽きるのではないでしょうか。

そのために、今回のコロナ対策として学校図書館として求められているポイントは2つあります。

  1. ツールとしての「図書館の本」の活用
  2. 学ぶ場所としての「図書室」の活用

今までは「場所」と「図書」がセットで学校図書館としての機能が強かったのですが、これからは両方を敢えて切り離して活用する方向性になります。

学校司書はその両方を結びつける役割になるのではないでしょうか。

 

カタチは様々あれど、教育の現場にいるものの想いはひとつです。

子供たちの学びを止めないために、私たちが出来ることは何だろうか?

日々自分に問いかけながら、これから学校図書館の運営に携わりたいと考えています。

 

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