2021年度から大学の推薦入試制度が新しくなりました。
名称も「総合型選抜」と「学校推薦型選抜」とかわり、新しい大学入学共通テストと足並みを揃えてのスタートです。
どのように変わったのか、新名称とともに説明していきます。
総合型選抜・学校推薦型選抜とは?
総合型選抜=旧・AO入試
「総合型選抜」とは、エントリーシートなどの受験生からの提出書類のほか、面接や論文、プレゼンテーションなどで、受験生の能力・適性や学習に対する意欲などを時間をかけて総合的に評価する入試方式です。
2021年入試は、学校推薦型選抜同様に、各大学が実施する評価方法に、共通テストを含む教科・科目に係るテストや小論文、プレゼンテーションなどが学力を確認する評価方法を活用することが必須となります。
学校推薦型選抜=旧・推薦入試
「学校推薦型選抜」は一般選抜に次ぐ規模の選抜方式で、国公立大学では全体の9割以上の大学が実施しています
一般選抜との一番大きな違いは、出身高校長の推薦を受けないと出願できない、という点です。出願にあたっては、「調査書の学習成績の状況◯以上」「◯浪まで」といった出願条件が設定されている場合もあり、誰もが出願できる入試というわけではありません。
学校推薦型選抜は、様々なタイプの選抜がありますが、大きく分けて「公募制」と「指定校制」の2タイプに分かれます。
「公募制」は、大学の出願条件をクリアし、出身高校長の推薦があれば受験できる選抜です。
一方の「指定校制」は大学が指定した高校の生徒を対象とする選抜ですが、私立大学が中心となっており、国公立大学ではほとんど行われていません。
また、一般選抜とは違い多くの大学では、「出願者は、合格した場合は必ず入学する者に限る」専願制の入試となっています。
選抜の方法の具体例
・ICT を活用したオンラインによる個別面接やプレゼンテーション、大学の授業
へのオンライン参加とレポートの作成、実技動画の提出
・小論文等や入学後の学修計画書、大学入学希望理由書等の提出
を取り入れた多様な選抜方法の工夫が考えられること。
ポイント1.ICT教育の活用
今まで対面で行ってきたことをオンラインを活用するだけ、と言ってしまえばそれまでなのですが、なんにせよ初めての試みなので高校生は戸惑いが多くなりますね。
提示された例をみて思ったのは、就職活動の形態と似ているなあということ。
WEB面接にセミナーへの参加、プレゼンテーションは多少ディベート要素もあるでしょうか。
実技動画の撮り方も、もしかしたら指導に当たる先生よりも高校生の方が上手かもしれないですね。
いずれにせよ、これから受験までの期間の各学校でのICT教育の経験と成果が問われるものになると思います。
ポイント2.ポートフォリオ評価
教育でのポートフォリオとは、学習の過程や成果などの記録を、計画的にファイル等にためておくことを指します。
成果物としては作文や作品などで、電子データの形がこれからは主流になります。
こうした記録の蓄積を一覧することにより、成長過程を評価しようとするのが「ポートフォリオ評価」です。
一時的、あるいは切り取られた瞬間の成果で評価するのではなく、生徒自身が歩んできた努力と可能性を含めた多様性ある選抜方法に、これからの教育界も期待しているのではないでしょうか。
2022年の出願時期は?
令和4年度大学入学者選抜の日程はまだ未定の状態です。
正式決定の内容が「令和 4年度大学入学者選抜実施要項」になりますが、国公私立大学関係者及び高等学校関係者等の審議を踏まえて発表されます。
例年の総合型選抜の出願時期は9月以降、合格発表時期は11月以降、学校推薦型選抜の出願時期は11月以降、合格発表時期は12月以降としています。
正式発表は令和3年7月が予定されています。
教育評価が変わってきている
新指導要領は「何を学ぶか」だけでなく「何ができるようになるか」を重視し、そのために「主体的・対話的で深い学び」など「どのように学ぶか」の工夫も求めています。
まさにアクティブラーニングが現場でつながり、育成を目指す資質・能力を育てる時代に入ったと言えるのではないでしょうか。